WUG解散の発表を受けて…

本日は皆さまへ大切なお知らせがあります。

声優ユニット「Wake Up, Girls!」は、2019年3月をもって解散することとなりました。

 仕事中だった6月15日(金)午後3時、Wake Up, Girls!ファンクラブ「わぐらぶ」からメルマガが届いた。スマホの通知ランプが点滅したままだと気になるので、たいていチラ見だけしてすぐ仕事に戻るのだが、「▼いつも応援してくださっている皆さまへ」という普段と違う書き出しが気になり、そのまま読み進めると、上記の一文に辿り着いた。そこから午後7時の定時まで、正気を維持して仕事をするのが如何に苦痛だったか。
 WUGが解散する
 いつかこの日が来ることは分かっていた。でも今じゃない。まだユニットとしての可能性に満ちている。まだまだこれからじゃないか…!なぜ今なのか?
 頭の中はぐるぐるで整理がつかない。なんとか仕事を終えて退社すると、すぐ帰路につく気にはなれず、近くのコーヒー屋に入ってワグナーたちのツイートを追う。みんな混乱している。当たり前だ。
 タイムラインで、インターネットラジオ番組「Wake Up, Girls!のがんばっぺレディオ!」とニコニコ動画配信の「WUGちゃんねる!」でメンバーからのコメントが特別配信されることを知り、覚悟を決めて帰路につく。正直に言って、聞くのも見るのも怖かった。でも彼女たちの声を聞かねば始まらない。だから帰宅後PCを立ち上げ、覚悟を決めて彼女たちの声を聞き、表情を見た。
 ますます分からなくなる。メンバーそれぞれの言葉で突然の発表を謝り、これまでの感謝を述べ、来年3月まで応援してほしいと語る。でも「なぜ今解散なのか?」がない。
 週末に入り、土曜日は一日何もせずに、ほぼずっとこのことを考えていた。前日の晩のようにワグナーのツイートを追うのも控え、とにかく一人で考えた。
 一つ、半ば確信していることがある。この解散は、おそらくメンバー側から言い出したものではない。なぜなら、彼女たちの声や表情に、この決断を自ら下したという強い意思が感じられないからだ。見えているのは、この運命を受け入れることを決めた、という意思である。
 実は金曜日の晩にいろいろ眺めている中で、一つ引っかかっていることがあった。エイベックス・ピクチャーズのWUG担当プロデューサー田中宏幸氏が同社を辞めていたということだ。調べてみると、今年2月からサイバーエージェントに籍を置いている。
 WUGというと、アニメ作品の原案・前作監督である「生みの親」山本寛氏の名前が兎角話題に上る。しかし彼は飽くまでアニメ制作の責任者であり、声優ユニットに対しては口を挟むこともあっただろうが、そのプロデュース責任者ではない。アニメの版元プロデューサーであり、WUGの所属音楽レーベルDIVE II entertainmentのプロデューサーでもあった田中氏が、いわば声優ユニットWUGの「育ての親」であった。
 彼がなぜエイベックス・ピクチャーズを辞めたのかは問うても仕方がない。サイバーエージェントのほうがよい条件だったなら、個人の人生の選択として誰も責めようがない。いつから辞める話があったか分からないが、アニメ新章が彼のWUGへの置き土産だったのだろう。
 しかし田中氏がアニメにおいても声優ユニットにおいてもWUGの要であったことは事実で、彼が抜け、新章という一つの大きな区切りのあと、WUGというプロジェクト全体のプロデュース体制がゼロから見直されることになったのは想像に難くない。
 つまりその結果として、声優ユニットWUGのプロデュースは終了となったのだろう。
 振り返ればWUGの活動は決して順風満帆ではなかった。それゆえ、新章とそれを受けた5月12日のグリーンリーヴス・フェスは、最後の起死回生の策だったといえる。しかしアニメは制作スケジュール破綻の底質作画という前作とまったく同じ轍を踏み、グリフェスは幕張イベントホールという無謀とも思えるキャパの箱を押さえ、結果スタンド上段席は未使用という、集客力の限界を見せてしまった。フェスの内容には満足してるのだが、シビアにビジネスとしては、あれがとどめになってしまったのかもしれない。WUGのファンは徐々に増えているという実感はあった。だがその地道なペースでの継続を、ビジネスとして打ち切った、そういうことなのだと思う。
 これらはもちろん私の推測に過ぎない。ただ「なぜ今解散なのか?」という点では、一先ず自分を納得させるのに十分な理由だ。本当の答えは、おそらく今後誰からも語られないのだから。
 ただ、土曜のかやたんのブログを読むと、解散が発表される金曜日の朝を迎え、「いよいよこの日が来たなぁ」と思ったことが書かれている。解散がそれなりに前から決まっていたことが分かる。WUGチャンネルでコメントするメンバーの姿にある程度自制が利いていたのは、そのせいだろう。そのかやたんが、最も感情を抑えるのに必死だったのが、痛いほど分かるとしても。
 少なくとも先々週のWUG舞台では、解散が決定していた中で、真正面から役に向き合い演じてみせ、直前木曜日の楽天ラボナイターでは、弾ける笑顔でスタンドを盛り上げて楽天を勝利に導いていたのだろう。もしかしたら、グリフェスの時点でもう分かっていたかもしれない。よっぴーが叫んだ「みんな家族だ!」も、既に分かっていたから込み上げてきた言葉だったのかもしれない。
 グリフェスのときに発表されていたライブツアー。そのタイトルが、解散発表のあと告知された。
 Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME -
 ズルいじゃないか、「HOME」とか…
 3部構成の最後のサブタイトルは「KADODE」。ワグナーは家族なんだから、7人の門出を祝って送ろうってか。
 でもね、「HOME」とは「帰る場所」ってことなんだから、いつでも戻ってこられるってことなんだよ。
 ホント、WUGちゃん7人はみんな仲良しなんだよね。若い女性が7人集まれば、絶対にあの子とあの子が仲悪いとか、派閥ができてたりするもんだと考えるだろうけど、WUGちゃんたちはそうじゃない。もちろん最初から全員打ち解けあってたとは思わない。よくネタになるまゆしぃとよっぴーの喧嘩だけでなく、1年目にやってた「Wake Up, Radio!」のときなんか、お互いの間合いを計るような気遣いも時々感じられていた。
 でもね、この7人のよいところは、そんな中でも誰かを省いてしまおうという子がいなかったこと、ユニットとしてそれぞれに慮って向き合える子たちだったってことなんだよね。
 ブログやラジオ、イベントでのMCなど、彼女たちの言葉をほぼ毎日、5年近く聞いてきた。7人の中のどの組み合わせでも必ず、プライベートで一緒に遊びに行ったり、夜通し語り合ったり、相談し合った話がある。
 今回もきっと7人でいっぱい悩んで話し合ったことだろう。そんな彼女たちが、解散という運命を受け入れる決意をした。ワグナーとしてはその決意を受け入れるしかない。家族なんだから。
 私はWUGの箱推しだ。この7人だからこそのWUGが大好きだ。同時に7人単推しでもある。だから来年の4月以降も、変わらず一人ひとりを応援する。
 ツアーは、貯金残高眺めると頭を抱えざるをえないのだが(今年5年目のデスクトップPCやスマホ、10年選手の家電類を買い換えようとか考えてたので…)、可能な限り多く参加する。そして来年3月のファイナルでは、「いってらっしゃい」と送れるよう、心の準備をしておきたいと思う。