ソ・ラ・ノ・ヲ・ト ― 第1話「響ク音・払暁ノ街」

もう一発アニメ。

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 原作なしのオリジナルストーリーアニメ。取り敢えず初回は今後に期待できる内容だった。絵柄が「けいおん」そっくりで、テーマも音楽ということから、放送前から人気便乗じゃないかと巷では揶揄されてたけど、そういう雰囲気ではなさそうだ。

◆比較となる作品として思い浮かんだのは「灰羽連盟」。2chのまとめスレやいくつかの感想ブログを眺めてみたけど、はい、誰も挙げてません…。まあ「灰羽連盟」自体がかなり特殊な舞台設定なのでなかなか比較対象になりにく作品なのだけど、しかし「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」とはいくつかの共通点がある。

隔離された街
もちろん「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」の街セーズは「灰羽連盟」の街グリほど明確に外界から隔絶されているわけではないが、辺境の地で地形的にも容易に街の外へ出られない立地にあるゆえ、少なくとも当面は半強制的に城壁の内側で話が展開することになるだろう。
伝説の宿る街
灰羽連盟」の場合、伝説というより街の仕来たりそのものになっているのだけれど、セーズも伝説がある程度この街特有の慣わしを規定しているようで、登場人物たちは基本的にそれに倣った生活をすることになりそうだ。
街にとって特殊な位置づけにある少女たち
そしてその仕来たりや伝説は、メインキャラの少女たちに特殊な位置づけを与え、街の人々もその位置づけに即して彼女たちを温かく見守り、尊重している。
少女たちの寄宿共同生活
ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」は曲りなりにも軍隊だからある程度の厳しさはあるだろうけど、しかし雰囲気的には、彼女たちがぶつかり合って互いを高めるより、支え合って心を成長させていくタイプのように見える。それに主人公カナタを引っ張る姉役のリオが、「灰羽連盟」のレキのように隠した暗い過去を持ってそうで、カナタの心を揺るがすトリガーになりそうな気配を何となく感じる。

◆ただ、それでも「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」にはやはり外の世界があり、休戦中とはいえ戦時下。平穏が外から崩されていく可能性がある。また伝説の悪魔も、単なる言い伝えでなく実在として現れる可能性も示唆されていた。もっとも後者は作品の雰囲気が根本からひっくり返りそうなので出来れば止めてもらいたいけど。しかし少なくとも前半は主人公カナタが新たな生活に馴染んでいく過程を描きつつ、その他のキャラを一人ずつ色づけながら、同時に後半へ向けての伏線をばら撒いていくことになるのだろう。多分最後までちゃんと見ることになると思う。